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JCSQEを受験してきました。

1. はじめに

本稿は、「SQuBOK V2読破会Advent Calendar2015」の一環で執筆しています。
http://www.adventar.org/calendars/1020

「SQuBOK V2読破会」というクローズドなコミュニティの中でほぼ1年通して、
「ソフトウェア品質知識体系ガイド(第2版)」(以下「SQuBOK」)を読んできました。
活動の内容等は、12/1のいけどんさんのポストを参照いただければと思います。
http://swquality.jp/?p=178
IMG_20150711_135716

そんなコミュニティの中から「アドベントカレンダーやろうぜ!」ということでメンバ全員で書くことになった次第です。
個人的には、2013年の vimアドベントカレンダーのような事態になることを少しだけ危惧しましたが、幸か不幸か、そのような事態にならなそうなのでよかったかもしれません。
https://atnd.org/events/45072
※物足りなくなんて思ってないです、ホントに・・・(^^;

今回は、先日受験してきたJCSQEについて少し書いていきたいと思います。

2. JCSQEとは

2.1 JCSQEの概要

JCSQEとは、「ソフトウェア品質技術者資格認定制度」です。
http://juse-sqip.jp/jcsqe/
JCSQEは、”JUSE Certified Software Quality Engineer”の略になっています。
名前の通り、日本科学技術連盟が主催している資格認定試験です。
「ソフトウェア品質」と書きましたが、まれによくある例として、「ソフトウェア品質≒テスト」と考える方がいます。これは正しい理解ではありません。「ソフトウェア品質」は、ソフトウェア開発ライフサイクル全般に関係するものです。そのような理由から以下のような広い範囲から、JCSQEの問題が出題されます。
(※詳細は、JCSQEのシラバス( http://juse-sqip.jp/jcsqe/gakushu.html )参照)
・品質の概念
・品質モデル
・信頼性/ユーザビリティ/セーフティ/セキュリティ
・ソフトウェア品質マネジメント
・プロセスモデル
・プロセス改善マネジメント
・各種のスキル標準(ITSS/ETSS/UISS/CCSF等)と教育育成のマネジメント
・知的財産の法的権利と法的責任のマネジメント
・システムの構成管理(変更管理、バージョン管理、不具合管理、トレーサビリティ管理等)
・プロジェクトマネジメントとプロジェクトマネジメント体系
・要求管理
・設計のマネジメントや設計技法
・実装のマネジメントや実装の技法
・レビューのマネジメント
・テストのマネジメント
・運用のマネジメント
・保守のマネジメント
・メトリクス(プロダクトメトリクス、プロセスメトリクス 等)
・モデル化の技法(MBD,MDD,UML,SysML,PAD 等)
・テスト技法
・テスト自動化の技法
・品質分析、評価の技法
・障害分析に関する技法(バグ分析、ODC(直行欠陥分類)、なぜなぜ分析等)
・データ解析や表現に関する技法(QC7つ道具、新QC七つ道具)

このように、マネジメントからテクニカルな技法まで、要求から保守までと
非常に広い範囲から、またそれなりの深度は要求されていることが分かるかと思います。

さらに、JCSQEの試験区分は、2区分(初級と中級)があります。
初級は初学者向けということで、用語や概念の説明が中心になっております。
一方中級では、初級の内容に加え、技法や概念の業務への適用など応用力が問われます。問題の中で事例が与えられその事例に対応した改善内容を決められた字数で回答する(記述式)、といったような内容となっています。

(回答方式は、初級はマークシートのみ、中級はマークシート+記述式 となっています。)
問題のイメージは、以下のサイトにサンプル問題があるので参照してください。
http://juse-sqip.jp/jcsqe/gakushu.html

この試験ではソフトウェア品質に関する理解度や応用などについて知識やスキルが計られるものだと考えています。

2.2 JCSQEとSQuBOKの関係

JCSQEとSQuBOKには深い関係があります。JCSQEは、SQuBOKの内容をベースに出題されるからです。SQuBOKに記載されている内容(概念や規格(ISO,JIS,IEEEなど)、関連している著名な論文など)から、用語や定義を回答させる問題などが出題されます。
さらに中級でも、用語や定義・概念を問うような選択肢や用語を回答させる問題もありますが、そのような問題の比重は軽く、むしろ、考え方に重きが置かれています。つまり、実務に応用するための考え方が必要になるため、SQuBOKに記載されている内容だけでは不十分です。例えば、「レビューの改善案」や「開発プロセスの改善案」を回答する場合、解答そのものはSQuBOKには記載がないため、SQuBOKの内容をベースにして考えた内容を回答する必要があります。

2.2 JCSQEとJSTQBの違い

ソフトウェア品質に関わる試験として、「JSTQB(ソフトウェアテスト技術者資格認定)」(以下「JSQTB」)があります。
http://jstqb.jp/
JSTQBでは、シラバスを参照すると、テストプロセスやレビュー、テスト自動化というように、テストプロセスやテストの技法にフォーカスされているように思います。
そのようなことから、JSCQEのほうが、ソフトウェア開発工程全般にわたり広い範囲で、「ソフトウェア品質」を確保するためのスキルや知識が問われていると考えられます。
実際にテストを実務として行なっている テスト担当者、そのような部門のテストマネジャーはJSTQBのほうがマッチしており、テストに加えプロセス改善や規格や規準を検討する立場の人は、JCSQEにマッチしているように思います。

3. JCSQE受験記録

ここでは、2015年11月28日に実施されたJCSQEの試験について書きます。なお、筆者は、東京会場で中級を受験しました。

IMG_20151128_125858

 

3.1 雰囲気

ここ数回は、東高円寺の日本科学術連盟で実施していたように思うが、今回は有明の会場で実施されました。
人数はうろ覚えではあるが、250~300人程度の受験者がいたように思います。
マネジメントなどが試験範囲に含まれている影響なのか不明ではあるが、比較的ベテランの方が多く年齢層が高いように思いました。

3.2 問題とか

今回から第2版の範囲に変更になりました。つまり前回からベースが100ページほど増えてます・・・。第2版になり、「開発技術(マネジメント領域の拡充やモデル化、形式手法等)の追加」や「専門領域(ユーザビリティ、セーフティ、セキュリティ)の追加」などが行なわれいいます。
※初版と第2版の違いは以下の資料を参照ください。
http://www.juse.jp/sqip/symposium/2014/timetable/files/happyou_E1-1.pdf

今回追加された分野、セキュリティやモデル化などの分野からいくつか出題がありました。
記述問題では、コーディング規準に関する問題、開発プロセスの改善に関する問題、レビュー(ウォークスルー)に関する問題などが出題されました。

他には、リエンジニアリング・リバースエンジニアリングと知的財産権、コードクローン、品質の定義(狩野モデル)、調達のマネジメント、QMS、プロセスモデル(ウォータフォール、アジャイル)、PS(Partner Satisfaction)、費用便益分析、再利用、ソフトウェア信頼性モデル などに関係する問題があったように思います。

細かく書くと、どこからか怒られそうな気がしますので、キーワード的に並べておきます。

 

3.3 所感

私の業務から大きく外れることがないせいか、問題を読んで全く手が出ない問題はなかったと思っています。しかし、細かい記述の内容で思い出せないものがいくつかあってはがゆい思いをしました。「あのあたりに出ていた内容だけど・・・詳しく思い出せないorz..」と。
試験の合否は別として、JCSQEを受けることで得られたことがあると思っています。
普段業務だと半ばルーチン化してあまり頭を使わないプロセスであっても、本来考えるべき内容などに気づかされた点や、業務では担当でない部分の領域や知識を触れられたり、知ることができたことである。FMECAなど普段業務では使っていないがそのようなものの概要を知ることができた。
最後になったが、「SQuBOK V2読破会」に参加してきた影響も大きかったと思います。毎月開催される「SQuBOK V2読破会」に参加していたからこそ回答できた内容もいくつかありました。・・・継続的学習ってほんと大事ですね。

4. JCSQEの学習法

地道にSQuBOKを読む、業務でSQuBOKを利用して習熟度を上げるということが考えられれます。また、他の人と一緒に勉強することで、楽しくまた身につきやすいこともあると思います。
私が参加した「SQuBOK V2読破会」のような有志で勉強することも1つの方法であると思います。そのほかの例として、以下2点をあげます。
会社の支援が受けられる、かつ業務として早急に習得することが望まれているなら、
日本科学技術連盟のセミナーがあります。(別に回し者ではありません・・・)
http://juse-sqip.jp/juse_seminar/syokyu_2015.html

また、個人の活動であるなら、「SQiP SIG」として資格試験勉強と通して、ソフトウェア品質について理解するという集まりがあるので興味がある方はこちらに参加してみてはいかがでしょうか。

「試験を通して品質を学習する会」
http://juse-sqip.jp/sig/#shiken

5. さいごに

本稿では、本稿執筆の背景、JCSQEの説明や内容、勉強法法などについて書いてみました。
業務で品質保証に関わっている方でも、SQuBOKの範囲すべてを業務で使っている方は少なく、テストあるいはプロセス改善といった一部で業務を行なっている方がほとんどではないだろうか。業務は狭い範囲のスキルや知識でなんとかこなせるのかもしれないが、開発工程の他のプロセスの知識や技法を知ることや理解するも、自分の作業の質を高める上でも有益ではないかと考えます。
本稿で、JCSQEに興味を持ってもらえたり、SQuBOKに書かれているような
ソフトウェア品質体系に興味をもってもらえれば非常にうれしく思います。

※写真は、失意の中、試験会場から帰るときに撮ったものです。

F. 蛇足

当初、「不具合管理」について書くことを予定しておりました。期待していた方は、ほとんどいらしゃらないと思っていますが、(仮に、そんなレアな方が)いらしゃったらすいませんorz…
数回にわたる戦略的執筆が必要なようでしたので、予定を変更させていただきました。あと、先日試験が実施されたばかりなので「ホットな話題であろう」ということも考慮しました。
ところで、受験された方の復習会とか答えあわせ会とかやってみたいような気がしますけど、需要とかありますかね・・・?(^^;

 

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